7月9日に開催された「「ファイトほんまの『サクサク書ける! 居宅ケアプラン』」セミナーでは、後半、居宅サービス計画(ケアプラン)を実際に書く上での書き方・まとめ方・考え方のポイントについて、実習も交えて、介護支援所ファイトの本間清文氏が解説した。
ご存知のようにケアプランには、第1表から第7表までの種類がある。
このうち、「居宅サービス計画書(1)」といわれる「第1表」、「居宅サービス計画書(2)」の「第2表」、「週間サービス計画表」である「第3表」が、ケアマネジメントに関係する書類である。
第1表が、「利用者および家族の生活に対する意向」、「総合的な援助の方針」など、ケアランの全体の方向性を示すもので、第2表は、個別の課題(ニーズ)に対する目標と援助内容であり、読むときには第1表から順に読むため、ケアプランを作成する際も、第1表から順番にまとめていく人も少なくないだろう。
しかし、本間氏は、「『読む順番=書く順番』ではない。読むときには第1表から読むが、書く場合は第1表から書き始めるとケアプラン全体の収集がつかなくなる。したがって、ケアプラン全体の要である第2表から作っていくと、まとまったケアプランがつくりやすくなる。特に、『生活全般の解決すべき課題』欄から作り始めると全体がまとめやすいと話す。
というのは、第2表の「生活全般の解決すべき課題」に対して、「目標」と「援助内容」が決まり、さらに、第1表の「総合的な援助の方針」は、各サービス担当者がどのようなチームケアを行おうとするかなどをまとめたものであり、つまり、第2表の「生活全般の解決すべき課題」、「目標」、「援助内容」をまとめた内容。さらに、第2表の「生活全般の解決すべき課題」、「目標」、「援助内容」と第1表の「総合的な援助の方針」の元となっており、すべてをまとめたものが第1表の「利用者及び家族の生活に対する意向」だからだ。
セミナーでは、ケアプラン作成のスタートとなる、「生活全般の解決すべき課題」について、何を書くべきか、ニーズの構成と記述上のポイントを説明。
「ニーズにおける「状態を解決する目標・結果」のみのケアプランが多く、人それぞれの背景が見えない。そうすると個別的なプランに見えないし、福祉用具貸与の理由も表現されていない」と本間氏。課題を書くときには、「社会生活を行う上で困っている状態」もあわせて書くよう、指摘した。
実習では、本間氏が実際に対応した事例を2例紹介。本人、家族、そのほかの介護者、医師からのヒアリング内容から、ニーズを構成する演習を行った。
このほか、多くのケアマネジャーが疑問を抱きがちな質問もまとめて紹介。たとえば、第2表には目標の達成期間を記入する欄がある。その期間が過ぎれば、ケアプラン1〜3表をすべて作りかえなければいけないのか?
これに対し、本間氏は、老企第29号「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」と「軽微な変更」の場合の対応を紹介した上で、「通知やルールの観点だけで考えるならば、?新たな期間を同一用紙二記載し?変更がいつ行われたのか示すために第2表冒頭に作成日を記載することでよいが、実際には第2表の様式にそこまで記載できるスペースはなく実践的ではない」と説明し、氏独自の方法などを根拠を加えて説明した。
そして、セミナー最終部では、やはり運営基準減算対象であるモニタリングの記録について言及。老企第29号が求めているモニタリングでの記録項目は、具体的に個々のケアプラン各様式の項目に対応していることなど図解入りで説明し、その記録の仕方や独自のモニタリング様式などを提示し、最後は参加者からの質疑応答で活発な情報交換を行った。
このセミナーは好評につき、8月27日にも開催する予定とのこと。
詳細は、下記URLを参照。当日は「CMOを見た」と申し出れば、1,000円割引がある。