公益社団法人 認知症の人と家族の会は、4月13日、細川律夫厚生労働大臣に対して、「認知症の人も家族も安心して暮らせるための要望書」を提出した。
要望書は「介護保険制度への要望」「若年期認知症・認知症と診断された本人への支援について」「若年期認知症・認知症と診断された本人への支援について」「医療の充実と制度改善について」「まちづくり・環境整備について」の5項目から成り、各項目ごとに、同会が望む要望が細かく書かれている。
「介護保険制度への要望」のなかでは、 「要介護認定と支給限度額のあり方について、廃止も含めて抜本的な検討を行うために介護の当事者を含めた検討会議を発足させること」との要望が際立つ。
一貫して要介護認定廃止を訴えてきた同会は、それがかなわないのであれば、経過的措置として、1)認知症があると認められる場合、要介護1以上と認定することを周知徹底する、2)在宅で要介護4、5の人が限度額を超えて利用する場合は、全額自己負担ではなく介護給付を認める、3)要支援1、要支援2も介護給付の対象とする、の3点を盛り込んでいる。
さらに、「介護支援専門員がケアマネジメント能力を高め、中立公正で専門性が発揮できる体制とすること。サービス利用に至るまでの相談支援にも報酬を認めること」 と、ケアマネジャーの相談支援業務が、認知症高齢者にとってどれだけ欠くべからざるものかを訴えている。
また、認知症の人が在宅や地域で安心してくらすための「まちづくり・環境整備について」には、「静岡県が制定した「介護中」表示カードを全国版として認め普及すること」、「認知症の人を同伴し外出する際のため、「男女共用介護トイレ」、「介護中自動車駐車スペース」を公共施設および地域に整備すること」などが盛り込まれている。