2月25日、東京国際フォーラムにて、社団法人日本介護ベンチャー協会の設立総会が開催された。
高齢化が進むなか、介護保険制度が2000年にスタートし、ようやく10年目を迎えるが、介護業界は慢性的な人材不足が大きな課題となっている。
日本介護ベンチャー協会は、「健全な事業者が質の高い介護サービスを提供するためには、ひとえに人材の質向上が鍵を握っており、介護事業、介護職の魅力を、世の中に知らしめ、優秀な人材が業界に参入してくれる仕掛けを構築することが何よりも重要」との考えの下、設立されたもの。
設立総会の冒頭、設立の挨拶を行った、同会代表理事で、株式会社日本介護福祉グループ取締役副社長の斉藤正行氏は、まず、「介護の未来を変える日にしたい」と宣言した。
そして、今の介護業界には、昔から介護が大好きで専門の学校を経て働いている人と、リーマンショック以降に仕事がなくなって介護業界に流れてきた人という2つのタイプがいると説明。ただ、これだけでは人材が足りなくなるため、「一般の人が仕事として介護を選ぶという状態をつくらなければいけない」と思いを語った。
「学生が就職活動において業界研究を行うときに、IT、メーカー、金融、アパレル、そして介護という風に、選択肢の1つに入るようにしたい」(斎藤氏)
斎藤氏が、同会のキャッチコピーとして、繰り返し伝えたメッセージは、「介護に、誇りと憧れを。」。
また、日本介護ベンチャー協会の活動目的は、次の5つだ。
(1)介護業界に人材が参入するきっかけをつくる
(2)介護の仕事を通じて新しいライフスタイルを提示する
(3)品質の高いサービスを提供している事業所が選ばれるようにする
(4)医療・介護を経済の活性化につなげる
(5)日本の介護技術、ノウハウ、産業を海外に輸出する
こうした活動目的の下、月に一度の定例交流会の開催や、セミナー・討論会・勉強会の開催、メーリングリストの運営、ホームページによる情報発信、出版事業などを、今後、行っていく予定。
イベント関連では、「起業編」として、介護業界で起業を考えている若手を支援し、投資や融資、人材・ノウハウなどの支援を行う「起業家コンテスト」の実施、また、「男子編」として、経営者と学生、若者が語り合う場を設けること、「女子編」として、人気モデルによる介護体験の企画などを計画している。
――介護ベンチャー協会設立総会2へ続く