「史上最悪の改正」軽度者切り捨てに与野党とも反対――1000万人の輪・公開政策討論会レポート2

12月1日、「介護保険制度改正の焦点討議」をテーマに、6つの政党を招いた公開政策討論会が、介護保険を持続・発展させる1000万人の輪の主催によって開かれた。

登壇議員らが「史上最悪の改正」と言い放った中でも、大きな議題の1つとなったのは、軽度者に対する生活援助の切り捨て。同団体の共同代表を務める樋口恵子氏(高齢社会をよくする女性の会)は、全国老人クラブ連合会との恊働を背景に、介護保険についての当事者の思いを語った。
高齢者にとって医療保険は年間約70%の人が利用する身近なもの。比べて介護保険は16%と“掛け捨て”感が強いんです。その上、中重度へシフトすればますます公平感は薄まる。冗談じゃありません」。 

社会民主党の阿部氏も「平成18年度の改正で要支援1・2の方々を勝手に叩き出しておいて、今度は230万人にものぼる要介護1・2の方々を追い込むとは……。いちいちケアマネジャーが替わるのも当事者には迷惑千万」と批判した。

この改正当時の与党・自民党の田村氏はなかば苦笑いしながら「今回の切り捨てによる縮減は120億円程度にしかならない。ヘルパーと一緒に料理すると2,000円かかるところを、弁当宅配の500円に節約したとして、それが本当に介護の考え方と言えるのかを問いたい」と述べた。
その他の民主党、公明党、共産党、みんなの党いずれも、軽度者への援助縮減には反対の立場を示した。

これに関連した認知症ケア施策の議論でも「軽度者切り捨ては、早期サポートが必要な認知症介護にはそぐわない」との意見が出るなど、身体的な重度化にのみ支援が偏る介護保険のひずみが明らかにされた。

施行10年の節目の検証作業と、国会のねじれが重なり、現在の介護保険部会の報告書では未だに両論・三論併記が並んでいる状態。民主党の郡氏は「今の政局下でこそ、与党・野党の政策担当者がラウンドテーブルに着いてディスカッションする必要性がある」と、国会議員の立場から協同して部会審議に働きかける意欲を見せた。

コーディネーター結城康博氏(淑徳大学准教授)「審議の妨げになっているのは財源確保の問題」と最後に述べ、「そもそも審議会で聞かれるpay as you goの原則は社会保障の概念に馴染まない。『1000万人の輪』が提唱する公費負担6割が、各政党の方針とも一致していることは、今日の討議でも確認されたと理解した」と締めくくった。

◎介護保険を持続・発展させる1000万人の輪

■関連記事
ケアプラン有料化「ありえない」与野党の意見一致――1000万人の輪・公開政策討論会レポート1
介護保険の公費負担引き上げを求め、市民団体が要望書提出

介護食の基礎知識

介護のキホン

介護シーン別に基礎を知る

みんなが注目する基礎知識

要介護度とは?

要介護度とは?

介護度は7段階に分かれていて、要支援1・2、要介...

介護度別ケアプラン事例

介護度別ケアプラン事例

<要支援1>支給限度額49,700円、自己負担額...

デイサービス(通所介護)の選び方

デイサービス(通所介護)の選び方

デイサービスは曜日によって利用者が異なり、雰囲気...

家族で話し合おう

家族で話し合おう

家族で話し合おう...

介護用語を調べる

頭文字から探す

 
 
     
 
         
A B C D E F G H I J K
L M N O P Q R S T U V
W X Y Z              

キーワードから探す

このページのトップへ