杖や介護用ベッドなどの福祉用具は、高齢者の体の一部ともいえる大切なツールです。そんなツールを扱うダスキンヘルスレントの各ステーションは、高齢者の生活を支えるプロが集う場所。いわば「ささえびと」たちの仕事場です。このシリーズでは、「ささえびと」たちにとって忘れられないご利用者とのエピソードを紹介していきます。
旅立つまでの時間を支える覚悟
私たちのステーションでは、末期がんの方など、ターミナル期のご利用者様を数多く担当させていただいています。ターミナル期のご利用者様は、症状の進行がとても早い。介護ベッドを搬入した数日後に亡くなられるというケースは、ざらにあります。がんの疼痛(とうつう)が強くなった方のクッションを交換したところ、その数時間後に亡くなられたと連絡を受けたこともありました。
だから、ターミナル期のご利用者様からのオーダーがあれば、担当者が対応できなくても、誰かが対応するようにしています。
ご利用者様が亡くなられるのは、私たちにとってもひどく辛いことです。それでも、旅立たれるまでの限られた時間を、納得していただけるためのお手伝いをさせてほしい。そのために全力を尽くしたい。いつもそう思いながら、ご利用者様の元に向かっています。
もう一つ、心掛けていることは、「とにかく、日々の生活を少しでも快適に過ごしていただくこと」。そのためには適切な福祉用具の選定や調整に限らず、小さな支援も忘れないようにしています。
例えば冬場、福島には湿った重い雪が積もることがあるのですが、独居のご利用者様の中には、雪かきができない方もいます。そういった方のご自宅を訪問した場合は、せめて最寄りの道や郵便ポストにたどり着けるまでの導線くらいは、除雪させていただいています。
- 話し手
- ダスキンヘルスレント・ 福島ステーション
店長・田村知良さん