杖や介護用ベッドなどの福祉用具は、高齢者の体の一部ともいえる大切なツールです。そんなツールを扱うダスキンヘルスレントの各ステーションは、高齢者の生活を支えるプロが集う場所。いわば「ささえびと」たちの仕事場です。このシリーズでは、「ささえびと」たちにとって忘れられないご利用者とのエピソードを紹介していきます。
目指すのは「家族のように近しい存在」
福祉用具を届けるだけでは足りない。福祉用具によって、ご利用者様の生活の質を高めていただく―。それが、私たちの仕事のゴールです。
このゴールに向け、常に心掛けていることがあります。それは「ご利用者様と家族のように近しい存在になる」こと。ご利用者様が抱える課題を的確に把握するために、どうしても必要なことと考えています。
そのためには、ご利用者様の情報を少しでも多く集めなければなりません。だから私たちはケアマネジャーさんとの連携や情報共有に力を入れるだけでなく、積極的に地域の集まりに参加したり、デイサービスの福祉用具の点検に出向いたりしています。
特に、デイサービスに出向くようになってからは、ご利用者様が抱える課題をより的確に把握できるようになりました。
こうした取り組みが地域にも根付いてきたのでしょうか。最近は「あなたたちの対応がいいから、近所の方を紹介するよ」と、ご利用者様からご利用者様を紹介していただくことも増えました。
ただ、どんなに良い関係を築いたご利用者様でも、いつかは「永遠の別れ」をしなければならない時がきます。常に覚悟はしてはいますが、お亡くなりになったという一報に接したときは、やはり、ひどくこたえます。
それでも、ご焼香を挙げた時などに、ご家族様から「最後の担当があなたでよかった」「あなたが担当だったから、本人も気持ちよく旅立てた」と言っていただけると、救われる気がします。「家族のように近しい存在」になることを目指す身としては、つらい瞬間であると同時に、冥利に尽きる瞬間でもあります。
- 話し手
- ダスキンヘルスレント・ 福山ステーション
村尾智也さん(左)、沖冬樹さん(右)