杖や介護用ベッドなどの福祉用具は、高齢者の体の一部ともいえる大切なツールです。そんなツールを扱うダスキンヘルスレントの各ステーションは、高齢者の生活を支えるプロが集う場所。いわば「ささえびと」たちの仕事場です。このシリーズでは、「ささえびと」たちにとって忘れられないご利用者とのエピソードを紹介していきます。
「誇れる仕事」と“太鼓判”をもらった日
腰の近くを圧迫骨折し、立ち上がれなくなったご利用者様を担当したことがありました。
初めてお会いした日、その方は「ちょっと動くだけで痛い!」と仰っていました。ケアマネジャーさんの連絡を受け、私がお伺いした時には、骨折してから2日ほど経過していましたが、その2日間は、あまりの痛さに、ほとんど寝ることができなかったそうです。さらに、「家の中でずっと過ごしているので、気持ちも滅入ってしまった」と嘆かれていました。
一刻も早い対応が必要でした。まずは、お伺いした日のうちに、手すりをベッドにつけました。ところが手すりだけでは、立ち上がることはおろか、ベッドから起き上がることもできませんでした。
そこで手すりを付けた翌日には、背上げ機能が付いた特殊寝台を用意しました。背上げ機能があると、寝起きする際のつらさがかなり緩和されますし、ベッドから離れるのも楽になります。
実際、特殊寝台を入れたその日から、「魔法をかけられたかのように寝られるようになった」と仰っていましたし、1週間後にはベッドの隣に立つことができるようになりました。そしてベッドから立ち上がれるようになった日に、「あなたの仕事は誇れる仕事。ぜひ、皆さんのためにがんばってね」という言葉を頂戴したのです。
この言葉を頂いたことで、「もっと商品知識を身に着けて、一人ひとりにあった商品を提供したい」「もっとご利用者の言葉を傾聴し、その生活に寄り添っていきたい」という思いがより強くなりました。ご利用者からの“太鼓判”が、私の背中を押してくれたのだと思います。
- 話し手
- ダスキンヘルスレント・ 江戸川ステーション
与斉聖さん