家賃の滞納や孤独死などへの不安から、民間の賃貸物件のオーナーが一人暮らしの高齢者や障がい者の入居を拒むケースが増えていることを受け、東京都中野区は今月下旬から、入居者が亡くなった際の葬儀や家財の片づけの費用補償と見守りサービスを一つにした新たな支援制度を開始する。
見守りサービスは、電話の自動音声ガイダンスで週2回、入居者の安否確認をするもので、最大5人の連絡先に電子メールで結果を知らせてくれる。また、亡くなった場合の葬儀費用は50万円まで支援し、家財の片づけや原状回復に必要な費用と合わせ、最大100万円の補償が受けられる。
制度の利用条件は、公営住宅の入居資格と同じ年収256万8000円以下。主な対象は、区内の民間賃貸住宅で一人暮らしをしている高齢者と障がい者だが、住まいの確保に困っているそれ以外の単身世帯も支援する。さらに、これから区内で一人暮らしを予定している人も利用できるようにする。
利用時には、民間事業者と契約を結ぶ必要がある。区は初回登録料の1万6200円を全額補助し、利用者は月額1944円を負担する。
今回の制度は、区の業務委託ではなく、民間事業者のサービス利用料を直接補助する仕組みで、区によると、見守りと住まいに関する費用補償をパッケージ化したこうした公費助成は全国初。区では3月末までに40件の利用を見込む。