千葉県船橋市は、高齢者が健康づくりや介護予防を行う際の独自の指標となる「健康スケール」を開発した。項目の一部を活用すると、年齢別の健康度合いを点数化した「元気度」が分かり、3年後の要支援・要介護リスクを知ることができるという。市では2020年度から、市内24地区ごとの「元気度」の特徴を示し、市民の介護予防への参加を促す方針。市によると、こうした取り組みは全国初という。
指標は、日常生活や運動器、口腔機能などに関する22の質問から成り立っている。このうち、「バスや電車を使って1人で外出できるか」「日用品の買い物ができるか」といった10項目に答えると、男女・年齢別の「元気度」が出せる。この10項目は、千葉大予防医学センターの辻大士特任助教らが開発した評価尺度だ。
市では、来月から配布する新たな介護予防手帳に「元気度」チェックの項目を新設する。また来年6月以降、要介護・要支援認定者と介護予防・生活支援サービス事業対象者を除いた「65歳」「70歳」「73歳」「75歳以上」にそれぞれ文書で協力を依頼。集まった回答を基に、介護予防教室などへの参加が必要な人を抽出するとともに、地区ごとの「元気度」の特徴などを把握する予定だ。
市では、「あくまで市民の介護予防の指標の一つとして活用する。既存のチェックリストの代わりに使用する目的ではないので、誤解しないでほしい」としている。