厚生労働省は、特に社会福祉施設などが災害に向けて備えるべき項目を取りまとめ、都道府県などに連絡した。今年の夏から秋にかけて、規模の大きな天災が相次いだことを踏まえたもので、自治体に対しては連絡した項目について、社会福祉施設などの取り組み状況を確認することを求めている。
事務連絡では、平成30年7月豪雨や9月の北海道胆振東部地震などによって、大規模な停電や断水、食料不足が発生した点に言及。特に高齢者や障害児者のように支援が必要な人が多い社会福祉施設では、日常生活を送る上で必須のインフラが寸断されると「生命・身体に著しい影響を及ぼす恐れがある」とし、自治体に対し、停電や断水、通信の途絶などに対し、社会福祉施設がどのように備えているかを点検することを求めている。
■停電に備え、非常用発電機の燃料なども確認を
例えば、停電に関しては、非常用自家発電機がある場合とない場合を想定。ある場合については、燃料の備蓄や緊急時の確保策を確認するよう求めている。一方、ない場合については、施設内に人工呼吸器などを必要としている人がいるかどうかや協力病院との連携状況を調査した上で、非常用自家発電機の導入を検討しているかを確認することを求めた。
また、「十分な数の懐中電灯やランタンなどの備蓄」や「石油(灯油)ストーブなどの代替暖房器具とその燃料、毛布、携帯用カイロ、防寒具などの備蓄」「医療機器の予備バッテリー、充電式・手動式の喀痰吸引器などの準備」なども点検するよう求めている。
■断水に向けては、簡易トイレなどの備蓄が必要
断水への備えとしては「近隣の給水場を確認し、大容量のポリタンクなどの給水容器を準備しているか」や「酒造会社などの災害時協力井戸を確保しているか」「飲料水の備蓄をしているか」「携帯トイレや簡易トイレ、オムツなどを備蓄しているか」などを確認する必要性を指摘した。
ガスの供給が止まった場合への備えとしては「多めのカセットコンロ・カセットガスなどを備蓄しているか」「調理が不要な食料(ゼリータイプの高カロリー食など)の備蓄」などを確認すべきとしている。
■食料など、まずは「季節ごとの1日の必要量」把握を
そのほか「食料」「飲料水」「生活必需品」「医薬品」「衛生用品」「情報機器」「防寒具」「非常用具」「冷暖房設備・空調設備稼働用の燃料」については、季節ごとの1日の必要量を把握した上で、その量を踏まえた備蓄ができているかについても点検するよう求めた。