介護をしながら働いている正規の職員・従業員のうち、女性は週6日以上介護している人が30.7%で最も多いことが、総務省の2017年就業構造基本調査で分かった。一方、男性のトップは月3日以内で、同じ正規の職員・従業員でも男女で異なる傾向が見られた。
調査は5年おきに行われ、今回は全国の約52万世帯を対象に実施し、昨年10月1日現在の就業状況などを推計した。
介護をしている人の数は627万6000人で、5年前の前回調査よりも70万5000人増加。このうち、介護をしながら働いている人の数は346万3000人で、男女別の有業率は、男性は65.3%、女性は49.3%だった。
年齢別の有業率は、男性は「55-59歳」(87.8%)が最も高かったのに対し、女性は「40-49歳」(68.2%)がトップだった。また、都道府県別の有業率は、長野が60.7%と最多で、以下は山梨(60.0%)、新潟(59.2%)、岐阜(58.8%)、東京(58.6%)などと続いた。
前回調査と比べると、介護をしている女性の有業率は、「70歳以上」を除く全ての年齢層で上昇しており、特に「40歳未満」と「40-49歳」で大きく伸びた。
総務省は今回、介護をしながら働いている人が、月にどのくらい介護をしているかを初めて調べた。その結果、正規の職員・従業員のうち、男性は「月に3日以内」(32.5%)がトップだったのに対し、女性は「週に6日以上」(30.7%)が最多だった。ただ、非正規の職員・従業員では、男女共に「週に6日以上」が最も多かった。
■介護離職は9.9万人でほぼ横ばい
一方、過去1年間で介護や看護を理由に仕事を辞めた人の数は9万9000人で、前回調査と比べてほぼ横ばいだったが、男性が4100人増えたのに対し、女性は6100人減少した。離職した人のうち、現在働いている人の数は2万5000人で、前回調査から7000人増加した。