介護保険利用時にはケアマネの基礎資格の確認を――シンポジウムレポート

東京大学医科学研究所特任研究員の児玉有子氏は、10月16日に東京大学医科学研究所・大講堂で開催された市民公開シンポジウム『がん医療介護』で、家族が介護保険サービスを受けるにあたって、「ケアマネジャーがどんな背景を持っているのか確認すること。医療的な要素の必要性が大きい場合は、看護師(保健師)、医師、薬剤師資格を持つケアマネジャーが良い」とアドバイスを送った。

児玉有子氏

同シンポジウムのテーマは、「がん医療介護−親のための準備、何したらいいの?誰に相談したらいいの?」。親ががんになった場合に何が必要になるのか、在宅診療や介護保険などのサポートを受けるためには何を行い、誰に相談すればいいのか、といったことを伝えるためのシンポジウムだ。

基調講演では、帝京大学ちば総合病院教授の小松恒彦氏が登壇し、「がん治療のプライスとコスト」をテーマに講演を行った。小松氏は、まず、抗がん剤治療に使われる薬剤には高価なものが多いとして、主要な抗がん剤の価格を紹介。さらに、各薬剤を服用した場合に5年生存率がどれほど向上することが期待できるかをそれぞれ説明した。

たとえば、慢性骨髄性白血病の治療薬として用いられるグリベックの場合、終生内服で1日10,996円かかるが5年生存率は90%ほどに上がる。一方、多発性骨髄腫の治療薬であるサレドの場合、1日13,140円分を毎日、効いている限り服用する必要があるが、生存率の向上は明確ではないという。小松氏は、「薬の値段と患者さんのご利益はつりあうのか?」「患者さんにとって採算はあるのか?」と、会場に向けて問題提起を行った。
また、高い薬剤費を背景に、経済的な理由から服用を中断、あるいは中断を考えたことのある人が少なからずいるという現実を紹介した。

パネルディスカッションでは、東京大学医科学研究所の児玉氏のほか、生命保険修士会会長の赤田貴史氏、有限会社ナースケア取締役で、ケアマネジャー看護師の菅原由美氏、卵巣がん体験者の会スマイリー代表の片木美穂氏が登壇。それぞれの立場から、シンポジウムのテーマである「親ががんになったら?」に対してアドバイスを行った。

このうち、訪問看護に携わり、多くの患者を在宅で看取ってきた経験を持つ菅原氏は、冒頭、「先日、ある先生が『がんは100%在宅で看取れる』とおっしゃっていました」と紹介。「絶対に在宅が良いとは言いません」と断った上で、多くの患者が在宅にうつると医師から伝えられた余命よりも長生きすること、また、とても穏やかな表情で亡くなることなど、自身の経験をもとにエピソードを語った。

◎東京大学医科学研究所

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