介護保険内と介護保険外のサービスを組み合わせて提供する「混合介護」。東京都豊島区は、「混合介護」のモデル事業に参加する事業者を決定した。庭の掃除やペットの世話、趣味のための外出への同行などのサービスを提供する10事業者が参加する。中には、Webカメラを活用して利用者の状況を把握し、必要な場合は訪問介護員が自宅などに出向くサービスを提供する事業者もある。
豊島区では、「混合介護」を選択的介護と位置付けた上で、保険内と保険外のサービスを一体的に提供するモデル事業実施への準備を進めてきた。
「混合介護」には、保険内と保険外のサービス時間などを明確に区分して提供する手法と、保険内と保険外のサービスを同じ時間に一体的に提供する手法があるが、豊島区のモデル事業では、保険内外のサービスを明確に区分して提供する手法を採用。今年1月から2月にかけて、訪問介護事業所を対象に参加企業を募集した。その結果、期限までに10事業者の応募があり、審査の結果、すべての参加を認めることが決まった。
■Webカメラでの見守りを提供する事業者も
モデル事業のうち保険外サービスは、利用者のニーズに柔軟に対応するため、各事業者が提供できるメニューと時間当たりの料金を提示し、サービスと対応できるメニューを提示するパッケージ方式で提供する。
各事業者のメニューの中には、「ペットの世話」や「電球・蛍光灯の付け替え」「庭掃除や客間の片づけ」「散歩」などが目立つが、中には「自治体への手続き代行」「生前整理」「介護タクシーの手配」「美容・健康施設などへの同行」を盛り込んだ事業者もある。また、「Webカメラを活用した利用者の状況把握と必要に応じた訪問介護員の訪問」を提供できるサービスとして示す事業者もあった。
事業開始は同年8月ごろで、2年半にわたり実施する予定だ。