身体介護の「見守り的援助」拡大、ケアマネの7割が前向きに評価

厚生労働省は3月末、訪問介護の内容を規定した通知「老計10号」を見直し、7種類だった身体介護の「見守り的援助」を15種類まで拡大した。これによって、服薬時の見守りやゴミ分別の援助、衣類の整理などが身体介護に位置付けられた上、それ以外でも、ヘルパーと利用者が共に行う動作で、自立支援や重度化防止につながるとケアマネが判断したものも身体介護に位置付けることができるようになった。この見直しについて、ケアマネの7割が前向きに受け止めていることが、インターネットインフィニティー(東京都品川区)の調査で分かった。

インターネットインフィニティーでは、4月9日から20日にかけて、同社が運営するケアマネ向けの業務支援サイト「ケアマネジメント・オンライン」の会員に対し、インターネット上でアンケート調査を実施。239人から有効回答を得た。

「老計10号」の見直しによって、7種類だった訪問介護の「見守り的援助」が15種類にまで拡大されたことなどについて感想を尋ねた質問では、「見守り的援助の対象拡大、実にありがたい!」の答えを選んだケアマネが38%で最も多く、次いで多かったのは「見守り的援助の拡大はうれしい。でも、まだまだ。もっと拡大してほしい」の32%だった。「拡大の方向が違う。もっと別の業務を身体介護とすべきでは?」は26%で、「そもそも拡大の必要はない!」は4%にとどまった=グラフ=。


グラフ
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見守り的援助の拡大を前向きに評価するケアマネ(「見守り的援助の対象拡大、実にありがたい!」と「見守り的援助の拡大はうれしい。でも、まだまだ。もっと拡大してほしい」の合計)は7割を占めた。

■「利用者のために良い」など前向きな評価が多数
前向きに受け止めている人の意見では、「ヘルパー行為の幅が広がり、利用者様にとっても良いことかと思います」「重度の認知症の方には、時間がかかるので身体はありがたい」「自立支援に繋がると思います」など、その拡大が利用者にとってよい変化をもたらすとする声が多く寄せられた。

介護職やケアマネ、「さらに努力必要」との意見
また、「介護職員の専門性が評価されたことは良かったと思う。その反面、介護職は専門性を高める努力をしなければならない」や「拡大はありがたいが、適切な見守り的援助の判断が求められることの重大さもしっかりと受け止めなければいけないと思う」など、今回の見直しにあわせ、介護職やケアマネもさらなる努力が必要と考える声も寄せられた。

■サービスへの悪影響を懸念する声も
一方、「拡大の方向が違う。もっと別の業務を身体介護とすべきでは?」と答えた人の中では、「新しく拡大された所は今まで生活支援の中で行なってくれていたので、病院や役所などの公共機関への付き添いを、拡大してほしい」や「肢体不自由で口は良く動き、本人様の要望通りの掃除など行う場合には身体介護が取れない」などの声が寄せられた。また、「本来生活であるべきものも利益主義により身体で算定しそう」や「専門性をいかした生活援助を身体とカウントするのは中途半端なヘルパーの仕事を助長しそう。ケアマネが経営側に向くと大変」など、この見直しがサービスに悪影響を及ぼす可能性を指摘する意見もあった。

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