介護職員の離職防止につなげようと、千葉市は、市内の特別養護老人ホーム(特養)と介護老人保健施設(老健)を対象に、介護支援ロボット「HAL」を無料で貸し出す事業を始める。約半年ごとに2施設ずつ、3年間で計12施設に貸し出す予定。市によると、茨城県つくば市や三重県鈴鹿市で同様の事例があるが、全国的にも珍しい取り組みという。
介護支援ロボットをめぐっては、国が2015年度の補正予算で、1施設・事業所当たり最大300万円を補助する方針を示したが、想定を超える応募があったため、その後、92万7000円に減額された。千葉市でも当初、20カ所以上の介護施設などから、「HAL」の導入に関する応募があったが、国が補助額を引き下げると辞退が続出。市では、こうした介護現場のニーズに加え、介護職員が腰痛で離職するケースも多いことから、事業の開始を決めたという。
市が無料で貸し出すのは、腰部に装着する「腰タイプ」。肌に貼り付けた電極シートを通して脳の信号を読み取り、介護者の動作をサポートし、移乗介助の際の腰への負荷を軽減する。今回、機器のレンタルは無料だが、電極シートの費用は施設の持ち出しとなる。費用は1回当たり百数十円程度という。
6月から始まる第1期の応募は来月14日まで。市では、介護支援ロボットの導入に対する意欲や施設側の課題などを考慮して、対象施設を決めるとしている。