日本経済団体連合会(経団連)は17日、国の財政健全化の実現に向け、取り組むべき具体的な取り組みなどを同日の財政制度等審議会・財政制度分科会に提言した。提言では、財政健全化を実現するためには、徹底した歳出改革が必要と指摘。そのためには、「ケアプランへの自己負担導入」や「2割負担対象者の拡大」など、過去に経団連が提案しながらも実現できていなかったり、実施が不十分だったりする施策について、より踏み込んだ改革に着手する必要があるとした。
■マイナス改定の実施も強くにじむ
提言では、2019年度以降の社会保障関係費の伸びについて、毎年度の伸びを0.5兆円程度とした集中改革期間(16-18年度)の「目安」以下にすべきと指摘。その実現に向け、介護や医療などの社会保障給付の伸びの抑制策を着実に実行すべきとした。
また、抑制策の実施にあたっては「給付の適正化を通じた過剰な給付の削減」「真に必要な人への真に必要なサービスの給付」「利用者負担の適正化」の観点から改革に取り組むべきとしており、今後の介護報酬や診療報酬の削減の必要性が強くにじむ内容となっている。
さらに提言では、経団連が15年5月に示した社会保障関連の提言事項について、これまでの進ちょく状況を示した一覧表も提示。このうち、成果が不十分なものや成果を得ることができていないものについては、「より踏み込んだ改革に着手する必要がある」とした=表=。
介護に関しては、「ケアプランの自己負担導入」や「要介護度に応じた利用者負担」、「介護報酬のマイナス改定」などについては、成果が得られていないとされている。さらに「2割負担対象者の拡大」や「ケアプランの適正化による過剰な介護サービスの見直し」については、成果が不十分と位置付けられている。