寝たきりになったり、介護サービスを利用したりせず、日常生活を送ることができる「健康寿命」が男女共に伸びているとする分析結果を厚生労働省が発表した。平均寿命との差も縮小しているという。
健康寿命は厚労省の研究班が、国民生活基礎調査を分析し、算出した。それによると、2016年の男性の健康寿命の全国平均は72.14歳、女性は74.79歳だった。いずれも過去最長となっている。また6年前と比較すると、男性は1.72年、女性は1.17年伸びていた。研究班では、生活習慣の改善が進み、脳血管疾患が減ったことなどが健康寿命の延伸に寄与したとしている。
一方、10年から16年にかけての平均寿命は、男性が1.43年増えて80.98歳に、女性は0.84年増えて87.14歳になった。健康寿命と比較して平均寿命の伸び幅は小さいことから、厚労省では、健康づくりの指針「健康日本21(第2次)」で掲げられた「平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加」という目標は、「今のところ達成している」とした。
■健康寿命、男性は山梨、女性は愛知が最長
健康寿命を都道府県別で比較すると、男性が最も長かったのは山梨の73.21歳。以下は埼玉(73.10歳)、愛知(73.06歳)などの順となった。最も短かったのは秋田(71.21歳)だった。女性で最も長かったのは、愛知の76.32歳、以下は三重(76.30歳)、山梨(76.22歳)などの順だった。最も短かったのは広島(73.62歳)だった。なお16年の調査では、地震で大きな被害が出た熊本は対象から外されている。
都道府県のうち、最も健康寿命が長い自治体と短い自治体を比較したところ、男性は2.00年、女性は2.70年となった。この数字を6年前と比較すると、男性は0.79年、女性は0.25年縮小していた。