ツクイ(横浜市)は今月から、全国で運営するデイサービス事業所や有料老人ホームを中心に、高校生のアルバイトの募集を始めると発表した。清掃や食事の配膳、レクリエーションのサポートなど、資格や経験がなくてもできる業務を任せ、専門の介護スタッフに、移乗介助や入浴介助といった業務に専念してもらうことで、介護現場の働き方改革を進める。同社では、今後1年間で約100人の採用を予定している。
同社は昨年、仕事を退職したシニア層や主婦らをアルバイトとして雇い、介護の周辺業務を担ってもらう「ケアサポーター制度」を開始。同年秋には、一部のデイサービス事業所で高校生を試験的に採用した。
高校生のアルバイトからは、「しんどい仕事だと始めは思っていたが、人のために働く楽しさが介護にはあると実感した」「お客様が笑顔になってくれたり、『ありがとう』と言ってもらえたりすると、とてもやりがいを感じている」といった声も上がり、採用を全国に広げることを決めた。
プロジェクトを始める契機となったのが、今年春に入社を予定している職員の声だった。その職員は、学校で受けた介護の職場体験がきっかけとなり、介護業界で働くことを決めたという。「若いうちから介護現場を体験してもらうことが、今後の雇用の拡大につながると考えた」(同社広報)。
同社では、リクルートジョブズ(東京都中央区)の協力を得て、高校生のアルバイトの採用を進める。採用後は、ツクイの教育担当者が入社時の研修などを行うことで、同社では「介護の知識や技術がなくても、安心して働ける環境を整える」としている。