厚生労働省は17日、内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」を使用した手術の公的医療保険の適用範囲を、2018年度の診療報酬改定で大幅に広げる方針を決めた。同日の中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)の総会で提案し、了承された。現行では、前立腺がんと腎臓がんのみが対象だが、これを食道がんや膀胱がんなどに拡大する。
ダビンチによる手術をめぐっては、12年度の診療報酬改定で前立腺がんに初めて公的医療保険が適用され、16年度の改定で腎臓がんに広がった経緯がある。今回、新たに対象に加わったのは、食道がん、肺がんの一部、子宮体がん、膀胱がんなど12種類=表=。
厚労省の資料より抜粋
同日の総会では、がん放射線治療の一種の「粒子線治療」(陽子線と重粒子線)の公的医療保険の適用範囲を広げることも決まった。新たに保険適用が認められたのは、▽切除非適応(根治手術が難しいと医師が判断した場合など)の骨軟部腫瘍(陽子線治療)▽頭頚部のがんの一部▽前立腺がん―の3つ。
粒子線治療は、16年度の改定で初めて保険が適用され、現在、小児がん患者に対する陽子線治療と、切除非適応の骨軟部腫瘍の重粒子線治療が対象となっている。