インフルエンザが本格的な流行期を迎えた。国立感染症研究所は5日、その患者数が今シーズン初めて「注意報レベル」に達したことを発表した。「注意報レベル」に達するのは、昨シーズンより2週間早い。
同研究所によると、昨年12月18日から24日までの間に、全国の約5000カ所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は6万3774人で、流行開始の目安とされる医療機関当たりの患者数が「10」を上回った。
医療機関からの報告をもとに、この1週間に受診した患者数の推計は約66万人。今シーズンの累積の推計受診者数は約158万人となった
都道府県別の医療機関当たりの患者数では、宮崎(26.03)が最も多く、次いで長崎(25.57)、岡山(25.19)、山口(22.22)、大分(20.95)、広島(20.60)、福岡(20.42)、長野、愛媛(いずれも20.08)などの順となった。また、すべての都道府県で前週よりも患者報告数が増加した。
インフルエンザの流行は、1月から2月にピークを迎えるため、今後も患者の増加が見込まれる。同研究所では、▽症状がある人がマスクを着用したり、咳をする際にはティッシュやハンカチで口を覆ったりするなどの「咳エチケット」を徹底する▽手洗いなどの手指衛生を徹底する-が重要と指摘。特に、高齢者が集まる医療・福祉施設では、関係者が個人でできる予防策を徹底すると同時に、外部からのウイルスの持ち込みを防ぐために、インフルエンザの症状が見られる人に訪問の自粛を依頼するなどの対策を講じることが重要としている。
◎国立感染症研究所の「インフルエンザ流行レベルマップ」