国立感染症研究所は、全国がインフルエンザの流行期に入ったと発表した。流行期入りは昨シーズンに比べて1週間遅い。同研究所では、特に高齢者が集まる福祉施設などでは、インフルエンザの症状が見られる人に訪問の自粛を依頼するなど、対策を徹底するよう呼び掛けている。
国立感染症研究所によると、11月20日から26日までの間に、全国の約5000カ所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は7280人。流行開始の目安とされる医療機関当たりの患者数が「1」を上回った。
医療機関を受診したインフルエンザ患者の推計数は、11月20日から26日までの間だけで約7万人となり、今シーズンの累積の推計患者数は約25万人となった。
都道府県別の医療機関当たりの患者数では、沖縄(4.88)が最も多く、以下は、長崎(4.47)、愛媛(3.39)、宮崎(3.20)、石川(3.08)、宮城(2.78)、新潟(2.66)、栃木(2.55)、福岡(2.32)、大分(2.24)の順となった。
同研究所では、インフルエンザの感染予防策として、▽症状がある人自身がマスクを着用し、咳をする際にはティッシュやハンカチで口を覆うなどの「咳エチケット」を徹底する▽手洗いなどの手指衛生を徹底する-が重要と指摘。特に、高齢者が集まる医療・福祉施設では、関係者が個人でできる予防策を徹底すると同時に、外部からのウイルスの持ち込みを防ぐために、インフルエンザの症状が見られる人に訪問の自粛を依頼するなどの対策を講じることが重要としている。
◎国立感染症研究所の「インフルエンザ流行レベルマップ 第47週(12/1更新)」