厚生労働省は24日、2015年の「社会保障における公的・私的サービスに関する意識調査」の結果を公表した。公的介護保険で提供すべきサービス内容について初めて尋ねたところ、「福祉用具の購入や貸与」が全体の7割を超え、「負担が増えても公的サービスを充実すべき」とする回答者の割合も最も高かった。
調査は15年7月、全国から無作為抽出した20歳以上の男女1万3420人を対象に行われ、このうち9811人から有効回答を得た。
「住宅改修費の支給」や「配食サービス」など、9種類の介護サービスの提供について、公的(保険給付)と民間(自己負担)のどちらが望ましいかを尋ねたところ、公的では、「福祉用具の購入や貸与」(70.4%)が最も多く、次いで「生活援助(掃除・洗濯・買い物・調理などの生活の支援)」(55.7%)、「外出の手伝い、送迎・移送サービス」(54.0%)などと続いた(※編注)。
※編注「負担が増えても公的サービスを充実すべき」と「どちらかといえば公的サービスで提供すべき」の合計
一方、「趣味、レクリエーション活動、学習活動への支援サービス」と「寝具の丸洗い・乾燥」では、民間サービスの方が良いと考える人の割合が4割超を占めた=グラフ=。
■先進医療、“負担増容認派”が半数超
今後の公的介護保険の対象範囲については、現在の上限額と自己負担割合の継続を望む人が44.9%で最も多く、6年前の前回調査に比べて6.9ポイント上昇。これを年代別で見ると、40歳代では、保険料などの負担が増しても、より充実したサービスを受けたいと考える人がわずかに上回った。
また、公的医療保険に関しても、現在の対象範囲を維持すべきと考える人が全体の62.1%(前回比0.2ポイント増)を占めた。
今回の調査では、医療費が高額な先進医療の対象範囲についても尋ねた。その結果、「税や社会保険料の負担が増加しても、適切な負担で治療が受けられるよう公的医療保険で賄うべき」との回答が51.0%で最も多く、高齢になるほど高い傾向が見られた。