鏡に映った自分の姿を見ながら食事をするとおいしく感じることが、名古屋大学大学院情報学研究科の研究グループによる実験でわかった。
実験には、65歳以上の高齢者と大学生が参加。鏡の前と部屋の壁が映ったモニターの前とで好きなだけポップコーンを食べてもらい、どのくらいおいしく感じるかを点数で評価してもらったところ、高齢者・大学生ともに鏡の前で食べた方がよりおいしいと感じ、摂取量も増加した。さらに高齢者には、自分の写真が映ったモニターの前と壁のモニターの前とで食事してもらったところ、写真の方が壁のモニターよりもおいしいと感じ、摂取量も増加した。
一般に、ひとりで食事をするよりも誰かと一緒の方がおいしく感じると言われている。しかし、研究グルーブは、実験の結果から、一緒にいる人との関係性や誰かと同じ行動をすることではなく、「人の気配」を感じることが食事のおいしさを高めることになると推測。食欲減退や鬱など、とくに孤食の悪影響が言われる高齢者の場合も、鏡を用いることで食事の質を高める可能性がある、としている。
◎名古屋大学 プレスリリース
http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20170526_sis_1.pdf