日清オイリオグループ株式会社の調査によると、家族が介護食作りを大変と思っている場合、要介護者の42%が低栄養傾向であることがわかった。
調査は、要介護1~3の高齢者を在宅で介護している家族100名を対象に行った。
介護食作りについて訊ねたところ、「非常に大変だと思っている」が29%、「ある程度大変だと思っている」が40%で、69%が大変だと思っていることが判明。大変と思っていることで最も多かったのは「いつも決まった食材 (メニュー)になってしまう」 (46%)で、以下「家族の食事とは別に作らないといけないので面倒でもあり食材が無駄になる」(39%)、「エネルギーや栄養素が足りているのか心配」(39%)、「どんな食事がよいのか分からない (どのくらい手を加えればよいのか分からない)」(36%)、「手間や時間がかかる」(33%)が続いた。
要介護者にどのような食事を提供したらよいのか、形状や食べさせ方を含めて専門家に指導を受けたことがあるかを訊ねたところ、「受けたことがある」は35%にとどまった。また、要介護者の食べることへのケアとして行っていることについての質問では、「歯や入れ歯の汚れをとる」が41%で最も多く、ついで「特に行っていない」が39%だった。噛むことや飲み込むことに対応した食事の提供ができているか不安になることはあるかとの質問では、71%が「ある」と回答した。
さらに、要介護者の身長と体重を測定してもらい、BMIを算出。その結果、要介護や総死亡リスクが統計学的に高くなる低栄養傾向を示すBMI20以下の割合は、家族が「食事作りを大変だと思っている」場合は要介護者の42%、「大変だと思っていない」場合は23%となり、大変だと思っている人の要介護者に低栄養傾向が多いことがわかった。
調査レポートでは、こうした結果を受け、「要介護者に在宅で食事を適切に食べてもらうためには、専門家のサポートや口腔ケア、噛むこと、飲み込むことなどに対する家族の関心を高める必要がある」とまとめている。
◎日清オイリオグループ ニュースリリース
http://www.nisshin-oillio.com/company/news/archive/2017/20170419_110353.shtml