国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターでは、認知機能と耳垢(みみあか)の関係性について公表した。
耳垢が栓のように詰まってしまう状態を「耳垢栓塞(じこうせんそく)」という。これは耳鼻咽喉科でないと取ることができない。また難聴や感染の原因にもなりやすいとされている。この耳垢栓塞は耳垢がねばねばとした「湿性耳垢」の方や耳の小さな子ども、耳垢を排出する力が弱くなった高齢者に多く見られる。
アメリカの高齢者向け施設での調査では、6割以上の入所者に耳垢栓塞があり、これを取ることで聴力だけでなく、認知機能も改善したことが報告されている。
そこで、同センターでは、耳垢と聴力や認知機能に関連があるかどうか調査を実施した。ビデオの撮影結果によると、高齢になるにしたがって正常な鼓膜が少なくなっていること、また、鼓膜の石灰化や、耳垢を観察できない状態の方が多いことがわかった。また、認知症を持つ方は耳垢栓塞になる人が多いこと、また、そのような方で耳垢栓塞を除去すると聴力が改善するとともに認知機能も保たれやすくなるということがわかった。
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注)耳をかき過ぎると、外耳炎になりやすくなったり、耳の中に傷がついたりすることも。無理をせずに、耳鼻咽喉科医に相談しましょう。
◎国立長寿医療研究センター
http://www.ncgg.go.jp/cgss/department/ep/topics/topics_edit30.html