高齢者は、1人よりも誰かと一緒に運動をするほうが、健康度が高く、長生きできる可能性があることが、東京医科大学の研究で明らかになった。1人で運動している高齢者に、家族や友人と一緒に運動するよう促すとよさそうだ。
同大学は、要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者21,684名を対象にした、主観的健康感と運動に関するアンケート結果を解析。
「現在のあなたの健康状態はいかがですか」という質問に対し、「とてもよい」「まあよい」「あまりよくない」「よくない」の4つの選択肢を用意し、「あまりよくない」「よくない」と回答した人を「健康でない」と感じている人とした。主観的健康感は、将来の死亡率を予測できる指標となるという。
運動については、「自分1人」もしくは「家族・友人・仲間と一緒」の頻度を尋ねた。
その結果、運動をしていない人と比べ、何らかの運動をしている人は、「健康でない」と感じている人の割合が統計学的に低い結果となった。
また、運動をしていない人を除外して解析したところ、「1人で」のみ運動する人と比べて、「家族・友人・仲間と一緒に」運動する機会がある人では、「健康でない」と感じている人の割合が低かった。
1人であろうと、家族や友人と一緒であろうと、どちらしにても運動は健康によいだろう。しかし、とりわけ家族や友人と一緒に運動する人は、1人で運動する人よりも、自分で感じる健康度が高く、ひいては死亡リスクが低減する(長生きできる)可能性があると、研究チームは分析している。
◎日本老年学的評価研究 プレスリリース
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