日本精神科病院協会は、16日、2017年3月に施行予定の改正道路交通法に関する要望書を警察庁交通局に提出した。
認知機能の低下が要因とされる運転事故が相次いでいることから、国は対策を強化する。来年施行される改正道路交通法では、検査で認知症の疑いがあると判断された75歳以上のすべての運転者に、専門医の診断、または主治医らによる診断書の提出を義務付ける。その際、認知症と診断された場合は免許の取り消しか、効力停止となる。
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これに対し、日精協の要望書では、認知症は、その病期、各症状、生活障害の程度等により、詳細に判断されなければならないこと、また、地方の交通事情の不便なところでは、免許が取り消されて運転できない状況になると、たちまち生活が立ち行かなくなる場合があることを主張。「独居や高齢夫婦世帯の増加に伴う生活のサポート体制は不可欠である」としている。
また「認知症のおそれのある者に対し、実車試験や筆記試験を実施し、本人の運転に関わる技量と判断能力に従って免許の継続や取り消しを警察署や運転免許センターで決定すべきである」とし、主治医や専門の医師による診断書は重要であるが、それだけで運転免許証の取り消しを決定してはならない、と指摘している。
◎公益社団法人 日本精神科病院協会
認知症に係る臨時適正検査又は診断書提出命令制度への要望書
https://www.nisseikyo.or.jp/images/Teigen/TeigenPDF_yeWa3Q0q04aFqAj3MYEfWw5F7WN2YaIGhkwaUQWBvtii1jiPirB2fUSqJIm8SJ0i_1.pdf