東京都は10月27日、「高齢者施策に関する都民意識調査」の結果を発表した。
それによると、高齢期に過ごしたい場所として「東京」と答えた人は66.5%で、「東京以外」と答えた14.7%を大きく上回ることが明らかになった。
年代が高くなるほど、高齢期を東京で過ごしたいと考える人が多く、その割合は、20代の48.5%に対して、60代では85.2%にのぼる。
高齢期を過ごしたい場所の理由は、「住み慣れた(生まれ育った)地域 に暮らしたいから」が66.0%で最も高く、以降、「日常生活の利便性がよいから」(57.5%)、「 家族・親戚・友人等親しい人がいるから」(48.7%)、「公共交通の利便性がよいから」(47.5%)、「医療体制が充実しているから」(24.6%)が続いた。
将来自宅で介護を受ける場合、「訪問介護サービス」の利用が約65%で最も多く、「配偶者・子供・その他の親族から」を希望する人も約52%と半数を超えることがわかった。「自宅で介護は受けたくない」という人は17.8%だった。
介護ロボットの利用については、多くの人が肯定的に捉えており、自分自身や身近な家族が介護が必要になった際には、約7割の人が、「見守り用機器」(77.7%)、「移動支援用機器」(72.7%)、「移乗介助用機器」(69.2%)の利用を希望していることがわかった。
一方、「コミュニケーション用機器」の利用を希望する人は45.7%にとどまり、「利用したくない」(32.8%)と答えた人の割合が最も高かった。
死期が近い場合にどのような医療を受けたいか聞いたところ、「自分のやりたいことや自分の生活を優先した医療を受けたい」が67.3%、「できるだけ医療を受けたくない」が10.3%、「治療を優先した医療を受けたい」人は9.2%だった。
ただ、その希望を「誰にも伝えていない」という人が64.8%で最も多く、「口頭で家族に伝えている」という人は29.5%にとどまった。
最期を迎えたい場所は「自宅」が38.2%と最も多いものの、年齢が上がるにつれて「高齢者向けの住宅」や「介護保険で入所できる施設」の割合が高くなる傾向にあった。
調査は、都内に住む20歳以上65歳未満の人を対象に行われ、2,602名から有効回答を得た。
◎東京都 「高齢者施策に関する都民意識調査」の結果
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2016/10/27/20.html