70歳以上を「高齢者」と定義する人が、65歳以上と考える人よりも20ポイントも上回っていることがわかった。
厚生労働省が10月4日に公開した「高齢社会に関する意識調査」による。
同調査は、今年2月に全国の40歳以上の男女を対象に実施し、3,000人から回答を得た。
高齢者の年齢定義についての回答は、全体では「70歳以上」(41.1%)が最も多く、「65歳以上」(20.2%)、「75歳以上」(16.0%)と続いた。
40~49歳では「65歳以上」が30.6%、「70歳以上」が31.7%と拮抗しているが、50~59歳では、「65歳以上」が25.1%、「70歳以上」が42.5%と逆転し、その割合は年齢が高くなるほど顕著になった。
年をとって生活したいと思う場所は、「自宅」が72.2%で、大半を占めた。新しい状況に合わせて移り住む高齢者のための住宅(バリアフリー対応住宅やサービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム)を選択したのは、8.2%だった。
高齢期に希望する場所で暮らすために必要なことについては、「医療機関が身近にあるこ と」(54.3%)、「介護保険のサービスが利用できること」(38.2%)と医療・介護に関することが上位になり、次いで「買い物をする店が近くにあること」(34.0%)、「交通の便がよいこと」(30.1%)と生活利便性に関することが続いた。
高齢者が地域で安心して暮らしていけるようにするために行政に期待する取り組みでは、「介護など福祉サービスの充実」(72.4%)、「医療体制の充実」(61.7%)が上位となり、介護・医療に関することがとくに大きい結果となった。
居住地で地域の支え合いが展開されていると思うかを尋ねたところ、「思う」「どちらかというと思う」が合計27.1%だったのに対し、「どちらかというと思わない」「思わない」は合計46.7%で、支え合いが展開されていないと思う割合が高かった。
地域で困っている人がいたら助けようと思うかを尋ねたところ、「積極的に助けようと思 う」「助けようと思う」を合わせると 69.6%で、地域の支え合いの展開状況以上に多くの人が困っている人を助けたいと思っていることがうかがえる。
地域での支え合い活動として実施したいものについては、「見守り・安否確認」(37.2%)、「通院、買い物などの外出の手伝い」(35.3%)、「ごみ出しや電球の交換などのちょっとした力仕事」(28.7%)が上位となり、手軽にできることに取り組みたいという意向が表れた。
地域の支え合いの機能を向上させるために有効な施策については、「要援護者の支援マップづくり」(40.4%)、「住民ボランティアのコーディネーターの養成」(40.0%)、「多世代が交流できる拠点の整備など支え合いを行う場の提供」(31.7%)の順となった。
◎厚労省 報道発表資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000137669.html