筑波大学附属病院(病院長:松村明)および茨城県立医療大学付属病院(院長:和田野安良)は、9月30日より、脳卒中患者の歩行能力回復を目的とするロボットスーツ「HAL」(CYBERDYNE株式会社)の治験を始めた。
HALは体に装着することで動きを広げ、改善し、サポートするロボット。利用者の運動意思に対応した微弱な生体電位信号で作動し、身体機能の改善・再生を促進する。
厚生労働省によると、脳卒中は介護が必要になる原因として最も多い疾患。現在、脳卒中患者の歩行障害への治療が行われているが、障害の程度によっては回復に限界があり、社会復帰の妨げとなっている。
同病院では、2013年より脳卒中患者の歩行障害の新治療を目指した臨床研究を行ってきた。そのなかで歩行障害のある患者にHALを使用したところ、従来の歩行能力回復の限界を超えて、更なる回復を期待させる結果を得た。すでに、HALの両脚タイプは筋ジストロフィーや、筋萎縮性側索硬化症(ALS)といった神経筋難病疾患を対象に医療機器として認可されている。
今後はこれまでの研究成果を基に、国の支援を受けながらCYBERDYNE株式会社と連携し、7施設での治験を予定。HALの脳卒中に対応する医療機器の承認を目指す。
◎筑波大学 茨城県立医療大学
https://www.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/160929HAL-2.pdf