世帯所得が長生きの栄養指標である血清アルブミン値と関連があることを、 新潟県立大学人間生活学部健康栄養学科の太田亜里美准教授が明らかにした。
世帯所得が寿命や健康状態に影響を及ぼすことはこれまでにも指摘されていたが、血清アルブミンとの関連を分析した研究は、これがはじめて。
研究グループは、愛知県の4市町村で要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者6,528人を対象に、郵送によるアンケート調査を行い、健診データとあわせて分析。
その結果、平均所得群と比較して、低所得群では明らかに血清アルブミン値が低いことがわかった。性、年齢、教育、婚姻状況、家族構成などの要因の影響を取り除いても、この結果は同じだったという。
また、低所得と低アルブミンの中間因子として、体格指数(BMI)、肉・魚の摂取頻度、主観的健康度や治療中の病気(呼吸器疾患など)があることもわかった。つまり、低所得であることが、肉・魚の摂取頻度の少なさや呼吸器疾患などの病気につながり、アルブミン値に影響しているのだという。
これらの結果から、研究グループは、高齢者に肉・魚の摂取を勧めるとともに、食料品の税を下げる、食料品と交換できる券を配布するなどなどの食のサポートが必要であると指摘している。
◎日本老年学的評価研究(JAGES)プレスリリース
http://www.jages.net/#!untitled/cl20