介護リスクにも関連する運動機能の障害予防に、生薬入りの入浴剤が有用な可能性があることを、バスクリンが報告している。北海道大学と共同で行った研究で検証した。
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研究は、生薬混合抽出液高含有浴用剤が、中高年者の歩行能力や身体柔軟性などの運動機能へ及ぼす影響を確認することを目的に実施。
40代~60代の健常な男女13名が参加し、生薬混合抽出液高含有浴用剤を入れた「浴用剤浴」とさら湯に入浴する「さら湯浴」のあとに3種類の運動器体操を行い、歩行能力を総合的に評価する「ステップテスト」、身体柔軟性を評価する「長座体前屈」、温まり感や関節の動かしやすさなどの「主観評価」で、「浴用剤浴群」と「さら湯浴群」とを比較した。
その結果、ステップテストでは、浴用剤浴群とさら湯浴群の双方で、入浴後と運動後に有意に増加したが、運動後は、浴用剤群でより有意に高値だった。長座体前屈では、 両浴群とも入浴後に有意に増加し、運動後さらに有意に増加した。主観評価では、 温まり感は、両浴群とも入浴後に有意に増加し、浴用剤群ではより有意に高値だった。関節の動かしやすさでは、浴用剤群で有意に増加し、運動後はさら湯浴群に比較して有意に高値だった。
これらの結果から、歩行能力や身体柔軟性など日常生活に必要な運動機能の改善に、生薬混合抽出液高含有浴用剤が効果的であり、運動器体操の組み合せがさらに効果的と考えられるとまとめている。