国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、7月20日、新たに3つの福祉用具の開発について、助成を行うことを決定した。
福祉用具は、高齢者や心身障害者および介護者がユーザーであり、使用用途や身体の障害度合いが人によって異なるため、多品種少量生産の製品となりやすい。そのため事業者が抱える開発リスクは小さくない。
そのような背景のもと、NEDOでは、福祉用具の開発を行う企業などに対して実用化支援を行っており、今回、新たに「歩行補助システム」「筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者等向け非接触型スイッチ」「英語対応点字翻訳システム」の3つについて助成を行うことを決めた。
「歩行補助システム」は、使用者専用の地図データベースを作成し、歩行を補助するシステム。
衛星システムを組み込んだ高精度位置情報検出機器を用いて、歩行経路の目印情報をクラウドに登録することで作成する。歩行誘導は、骨伝導ヘッドホンによる音声案内とアイウェアに取り付けた小型カメラによる信号機の色判断システムで行う。登録ルートから外れた時には、警告音を鳴らし、定めたルートに戻れるように誘導する。
助成先は、このシステムを開発する、株式会社ニュージャパンナレッジや株式会社フォルテ。
「ALS患者等向け非接触型スイッチ」とは、視線や目・瞼の動きで意思伝達装置等を操作するスイッチのこと。
目やまぶたの動きを画像解析する機能で患者ごとに動きの大きさを測定し、動きの大きさからON/OFFが調整できる非接触型スイッチの開発を行う。助成先は、株式会社エンファシス。
なお、英語対応点字翻訳システムについては、テクノツール株式会社に対して助成を行う。
◎国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100608.html