自治会や老人会などに参加している高齢者のうち、役員に就いている人は、通常メンバーよりも死亡率が低いことが、東京大学保健社会行動学教室の近藤尚己准教授の研究でわかった。
組織内で高い立場につくことで、生きがいや自尊心が高まったことが、原因の1つとして考えられるという。
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自治会など地域組織への参加が健康に役立つことは、多くの研究により示されている。しかし組織内での役割による影響については、これまでよくわかっていなかった。
研究グループは、自治会などの組織に参加している65歳以上の高齢者10,271人を約5年間追跡。会長や世話役、会計係などの役員と、通常のメンバーとで、死亡リスクの違いを調べた。
その結果、通常メンバーと比較して、役員の死亡リスクは12%低いことがわかった。この差は、年齢や性別、経済状況、健康状態といった、役員のなりやすさや死亡率に影響を与える要因を統計的に調整しても同じだったという。
研究グループは、生きがいや自尊心が高まりが、その要因の1つと分析。今後は、社会組織への参加を促すだけではなく、どのような形で社会に参加するかも課題となりそうだ。
◎日本老年学的評価研究 プレスリリース
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