東京大学医学部附属病院神経内科の辻省次教授・岩田淳講師、エーザイ、ココカラファインは、6月17日、認知症患者向けのICTコミュニケーションツール「わすれなびと」の臨床研究を開始すると発表した。
「わすれなびと」は、医療情報向けクラウドサービス上に設けたコミュニケーション環境で、認知症薬の開発・販売のエーザイ、医薬品販売のココカラファインの監修のもと、多職種連携、医療、介護、家族をつなぐコミュニケーション環境「電子@連絡帳」をベースに東大病院が開発した。クラウド環境を活用し、医師・薬剤師をはじめとする医療従事者、認知症患者と家族がネットワークで密につながるICTコミュニケーションシステム作りを目指す。
研究には、1年半の期間、50名の認知症患者が参加する。参加者にはタブレット型端末が貸与され、システムを通じて医療従事者と双方向のコミュニケーションをとることで、一人ひとりに最適な治療とケアを提供する個別化医療の実現を目指す。
具体的には、○半年ごとに東大病院で受ける血液・画像・認知機能などの検査結果を自宅で閲覧する。過去のデータとの比較も可能。○希望に応じて薬剤師による服薬支援を受けることができる。服薬状況は医師も共有○タブレット型端末に表示される症状などに関する質問に回答することで日常の様子を記録し、情報を医師も把握。次回の外来診療に役立てる。
このような機能により、主治医、薬剤師、医療・ 介護施設のスタッフが患者の認知症・軽度認知障害の進展や体調をより正確に把握でき、治療や介護などの課題をより早期に解決することが期待できるという。
◎エーザイ ニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201644.html