政府は、5月24日、2015年度の消費者政策や消費者問題・事故などをまとめた「2016年版消費者白書」を閣議決定した。
それによると、2015年度に全国の消費生活センターなどに寄せられた消費生活相談件数は92万7,000件で、そのうち65歳以上の高齢者に関する消費生活相談は24万件だった。65歳以上の高齢者では、65歳未満と比べて「訪問販売」と「電話勧誘販売」 の割合が大きいのが特徴。商品では、2015年は「アダルト情報サイト」「光ファイバー」などインターネットに関する相談が増加し、近年多かった「金融商品」や「健康食品」に関する相談は減少した。
認知症などの高齢者に関する相談は8,826件で、2006年以降最も多かった2013年度の1万7,095件、2014年度の9.708件より減少するも、依然として高水準だった。
認知症高齢者の場合、新聞や屋根工事、浄水器など「訪問販売」の割合が特に高く、高齢者全体では15.3%だが、39.7%を占めている。相談は本人以外からが多く、本人からは2割未満であることも認知症高齢者の相談の特徴となっている。
認知症の高齢者は事業者からの勧誘や契約締結の場面で必要な判断能力が不十分な状態にある。また、トラブルにあっているという認識が低く、問題が潜在化しやすい傾向にあることから、消費者トラブルに巻き込まれないよう特に周囲の見守りが必要、と指摘している。
◎消費者庁 消費者白書
http://www.caa.go.jp/adjustments/index_15.html