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東京都指導検査結果報告書(2)　施設系への指導内容掲載

東京都は、2009年度における指導検査結果の報告書をまとめ、公表した。
以下、施設系、社会福祉法人、社会福祉協議会などへの指導検査で問題点として指摘された内容を紹介する。

都内207カ所ある特別養護老人ホームでは144施設・総数334件に問題があると指摘された。その中では「契約を締結するときの透明性が確保されていない」が最多の50件と前年より増加。
また「感染対策委員会の開催（月1回程度）が行われていない」「指針が整備されていない」など「感染症または食中毒の予防・まん延の防止対策が不十分」が37件あった。
栄養マネジメント加算が利用者側の同意がないまま算定を開始」「個別機能訓練加算計画が未作成または計画作成日以前から算定開始（入所日から算定開始）」など「要件を満たしていない介護報酬の算定がある」も多く見られた。

介護保険施設を除いた高齢者施設のうち、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、ケアハウス、有料老人ホームについては、施設運営の適正化と感染症や食中毒の発生防止など安全対策の徹底を重点に実地検査を実施した。

都内414カ所ある有料老人ホームについては77施設に対し実地検査が行われ、うち42施設・合計143件の問題事例が見られた。主な問題事例は以下のとおり。
●身体的拘束その他利用者の行動を制限する行為を行っている。やむを得ず行った場合において、必要な記録が整備されていない。
●重要事項説明書の記載内容について、実際と異なる等の、適切な内容となっていない。
●長期資金収支計画等について3年毎の見直しが行われていない。

養護老人ホームは65歳以上で環境上や経済的理由により、居宅において養護を受けることが困難な人を区市町村の措置により入所させる施設で都内に32カ所ある。指摘された内容は、施設サービスの提供にあたっての適正な手続や体制の確保、会計処理(運営費)が不適正など、計26件の問題事例が見られた。

軽費老人ホームは、低額な料金で家庭環境や住宅事情等の理由により居宅において生活することが困難な老人を入所させ、日常生活上必要な便宜を供与することを目的とした施設で、施設の種類は食事付型(A型)と自炊型(B型)の2種類に分かれ、都内に14カ所ある。指摘は、運営管理、利用者処遇、会計経理のそれぞれの面で計6件が問題とされ、健康・衛生管理の実施が不適正、契約締結に当たっての透明性の確保が不十分であることがあげられた。

社会福祉法人については、都内331カ所の法人を検査した結果、「経理事務処理が不適切」が52件と最多で、理事・監事・評議員が理事会・評議員会等に出席していないなど「理事会などの開催が不適正」が続いた。

社会福祉協議会は都内22カ所を検査し、事業内容に変動が生じた場合に必要とされる定款の変更手続を行っていないため、「定款に記載されていない事業を行っている」ことが問題視されたり収益事業についての会計処理などの不備があげられた。

介護保険サービスにおける監査では、不正による「指定の取消し（取消し相当を含む）」および指定の効力の停止に至った事業所が6事業所あり、指導検査・監査による返還金等の額は介護保険施設・事業所で約2億3,100万円だった。

■不正の主な内容
●常勤または非常勤として勤務できない者を常勤または非常勤と偽って指定申請した。
●指定時点から管理者やサービス提供責任者が常勤専従で勤務していない。
●指定時から従業員の員数が常勤換算法で2.5人を満たしていない。
●届出されている事業所で業務を行っていない。
●同日、同時間に利用者複数への訪問介護サービスを提供したにもかかわらず、介護報酬を請求し受領した。
●個別機能訓練計画を作成しないまま介護報酬を請求し受領した。

東京都では、2009年度指導検査結果報告書の概要をコンパクトにまとめたパンフレット「安心して利用できる福祉・医療サービスのために」を10,200部作成し、区市町村窓口、都民情報ルームで配布している。

◎「安心して利用できる福祉・医療サービスのために」（PDF ：1,147KB）

■問い合わせ
東京都福祉保健局 指導監査部指導調整課
TEL:03-5320-4051

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