千葉県は、このほど県民の認知症に対する意識や県への要望などを調査したアンケートの結果を発表した。
アンケートは、2016年2月2日から2月15日の期間、県のアンケート調査協力員を対象にインターネットで実施。回答者202人の内訳は、「70歳以上」が26.7%と最も多く、次いで「60歳~69歳以下」が25.7%で、性別では男性が73.3%、女性が26.7%と定年退職世代の男性が多くを占めた。
認知症についてどの程度知っているかを訊ねたところ、「ある程度知っている」が59.4%、「よく知っている」が29.7%で、90%近くが認知症への知識を持っていると回答した。身近に認知症の人がいると回答したのは31.7%だった。
認知症になっても自宅で住み続けるために最も必要なものについては、「家族による介護」の23.8%を筆頭に、「事業者による入浴、排泄など介護サービス」18.3%、「専門的医療機関の充実」17.8%、「地域による見守り」13.4%と続いた。逆に認知症になった時に自宅で住み続けるうえで最も妨げになるものについては、「夜間の常時介護や徘徊等で介護者の負担が大きいこと」が64.9%で最も多く、「一人暮らしなどで介護者がいないこと」が12.4%だった。
行政の認知症の人やその家族を支援する取り組みについての認知度を訊ねたところ、33.2%が「知っている」と回答し、具体的には「認知症サポーターの養成講座の開催」が82.1%「県民や介護専門職に対する認知症講座の開催」が59.7%だった。自分自身が行いたい認知症の人や家族を支援する取り組みについては、「地域の見守り活動や声かけ活動への協力」の64.9%を筆頭に、「徘徊高齢者を発見した場合、保護などの協力」60.4%、「認知症についての知識の習得や認知症サポーター養成講座の受講」46.0%と概ね意欲的で、「特に支援したいと思わない」は5.0%にとどまった。
見守り対策として実施が検討ざれる氏名、住所、連絡先、かかりつけ医などの情報が記載できる高齢者対象の「優待カード」については、「見守り対策として有効である」が49.5%と最も多く、次いで「抵抗なく携帯できる」が25.7%と好意的な意見が目立ったが、「紛失により個人情報漏えいの恐れがある」10.4%、「見守りに効果が認められない」8.9%と否定的な意見もあった。また、「優待カード」の実施で外出する機会は増えるかどうかを訊ねたところ、「常に携帯するが、外出する機会が増えるかどうかわからない」が40.6%と最も多く、実効性には懐疑的な人が少なくないことがわかった。
認知症対策を進めていくうえでどのようなことに最も重点を置く必要があると考えるかを訊ねたところ、「医療・介護が連携した早期発見・早期診療のしくみづくり」が38.6%と最も多く、次いで「認知症高齢者の徘徊の見守りネットワークづくり」が12.9%、「グループホームや特別養護老人ホームなど施設整備」が12.4%だった。
調査結果は、今後県の認知症施策の推進に役立てていくという。
◎千葉県 2015年度第4回インターネットアンケート調査の結果
https://www.pref.chiba.lg.jp/koufuku/shien/ninchishou/internetanket.html