福祉医療機構は、4月22日、2014年度の老人デイサービスセンターの経営状況について分析結果を公表した。
分析の対象としたのは、同機構の貸付先で開設1年以上を経過し、社会福祉法人新会計基準を採択している通所介護事業所2,135件で、そのうちの85.9%が一般型デイ、14.1%が認知症対応型デイで、設置形態では特別養護老人ホームなどの併設型が79.2%、 単独型が20.8%だった。
社会福祉法人の収益性の指標となる「サービス活動収益対経常増減差額比率(比率が高いほど良。以下、経常増減差額比率)」をみると、一般型の10.4%に対し、認知症対応型は9.2%で、認知症対応型は手厚い人員配置による人件費率の高さと利用率の低さが要因となり、1.2ポイントの差がついた。設置形態別では、人件費率および経費率を低く抑えられた併設型が11.0%、単独型が7.9%だった。
一般型を事業規模別でみると、経常増減差額比率は、小規模型(1ヵ月平均の延べ利用者数300人以下)が 9.8%、通常規模型(300人超750人以下)が 9.2%、大規模型(750人超)は12.4%だった。利用率では、小規模型が69.8%、通常規模型が 71.1%、大規模型が75.6%だった。
これらの結果から、デイサービス事業における経営安定化のポイントは、「適正な人員配置による人件費のコントロール」と「利用率の向上を主とした収益性の拡大」にあると分析。
人件費の抑制は介護サービスの質の低下を招きかねないことから、利用率向上・収益性の拡大が肝要となり、そのための方策として、地域に根ざした独自サービスの提供や、生活支援など地域支援事業への積極的な取り組み、中重度ケア加算・認知症加算などを算定できる体制づくりなどを行うべき、としている。
◎福祉医療機構 プレスリリース
http://hp.wam.go.jp/Portals/0/docs/press/prh2805.pdf