がん患者が最期を迎える場所が自宅か病院かは、生存期間にほとんど影響しないか、むしろ自宅のほうがやや長いことが明らかになった。がん患者が退院して自宅に戻ることへの不安を和らげることができそうだ。
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筑波大学医学医療系の浜野淳講師と神戸大学医学部の山口崇特定助教らの研究グループが、4月1日、明らかにした。
研究グループは、自宅で最期を迎えたがん患者と病院で最期を迎えたがん患者の生存期間に違いがあるかについて検証。
その結果、予後が日もしくは週単位と見込まれる群では、自宅で亡くなった患者群のほうが、病院で亡くなった患者群に比べて生存期間は有意に長かった。一方、予後が月単位で見込まれる群では、亡くなる場所によって生存期間に有意な差はなかったという。
また自宅では、点滴や抗生剤投与といった医療行為が少なかったことも確認された。
退院して自宅に戻ることに不安を抱く患者や家族は少なくない。しかしこの研究結果は、進行がん患者が必ずしも病院で最期を迎えたほうが長く生存できるとは限らないことを示している。退院して自宅に戻ることへの不安を和らげることができそうだ。
◎筑波大学 神戸大学 プレスリリース
https://www.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/160401hamano.pdf