軽度者への生活援助は専門性に着目し、ケアコールなどを組み合わせることで、在宅生活継続の効果が高まり、生産性の向上も望める―。在宅介護大手のやさしい手は、このほど公表したアンケート調査の結果からこのような考察を導き出した。
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次期改正に向け、軽度者への生活援助サービスの見直しが検討されている。アンケートは、利用者の自立に資する生活援助の提供方法を考察することを目的に、3月7日・8日の2日間、インターネットで介護職員とケアマネジャー103名を対象に実施した。
アンケートでは、まず、生活援助の調理、洗濯、掃除、買い物について、調理なら「訪問介護計画書に沿った料理」などの行為と、「調理や後片付けなど行為の中で利用者とコミュニケーションをとり、課題を把握する」など生活援助に伴う専門性についての選択肢を用意し、強く意識していることを訊ねた。
その結果、「生活援助そのものを重視する」と「専門的な行為を重視する」がほぼ3:7の割合となり、ホームヘルパーが生活援助を行う際、「専門性に基づく観察・判断・情報収集行為(介護過程)」を強く意識していることがわかった。
さらに、軽度者の支援に必要な生活援助サービスの提供方法を探るため、「10分未満の直接的な生活援助」と「介護過程」を組み合わせたものを想定し、その効果について質問した。
その結果、65%が「心身の変化・病状の変化の早期発見」、75%が「多職種連携の効果の向上」を選択し、サービス提供の頻度については、約6割が「1日1回以上」と回答した。「介護過程」の機能を強化するための方法として、定期巡回のケアコール端末のような機器類を使用することは約7割、IoT(物のインターネット化)の技術の活用は約6割が支持した。
これらの結果から、軽度者の在宅生活支援を効果的に行うためには、「10分未満の直接的な生活援助」と「介護過程」を組み合わせたサービスを1日1回以上提供することが有効であり、ケアコール端末機器やIoTの技術を用いれば、より在宅生活継続の効果が期待され、生産性を高めることもできるのではないか、と推察。介護給付による「介護過程」と自費によるIoT機器生活支援との「混合介護」の検討を提案している。
◎やさしい手 調査結果リリース
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