運動・音楽・アロマ療法の補完代替医療法を行うことで、軽度認知障害(MCI)が改善する効果があることが、2月5日、高齢者向け音楽療養コンテンツ「健康王国」を運営する株式会社エクシングによって発表された。
同社と公益社団法人虹の会、株式会社ライフサイエンス研究所、介護老人保健施設ハートケア市川とが共同で実施した臨床試験による。
臨床試験では、老健施設の入居者14名に対し、能動的音楽療法と軽度運動療法(ラジオ体操や口腔体操、ストレッチなど)、モーツアルトなど528Hzの音を含む音楽を聞く受動的音楽療法、柑橘系ハーブ(レモン)で交感神経を刺激するアロマ療法を1時間かけて行い、MoCAJ検査(軽度認知障害スクリーニング)、唾液中IgAコルチゾール、αアミラーゼを測定した。
3週間の臨床期間の後、MoCAJのアセスメント検査の平均点が18.3点から22.9点と4.6ポイント改善し、唾液中の分泌型IgAに上昇傾向が見られた。また、運動・音楽・アロマ療法を集団で継続的に行うことで、9名中6名にMoCAJのアセスメント検査点数の上昇が見られ、うち3名は健常者と同じレベルの点数にまで改善した。
試験は予備的なものではあるが、このことにより、MCIの段階では補完代替医療法の組み合せで有効性が確認できるという。
同社では、今後、予備的試験を本格的臨床試験に発展させるとともに、MCIのさまざまな症状や状態ごとに効果の高いコンテンツを充実させていく予定。さらに、MCIのみならず認知症患者をも対象に、要支援から要介護の高齢者まで幅広い範囲での試験を展開していく、としている。
◎株式会社エクシング ニュースリリース
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