日本慢性期医療協会の終末期委員会が、「栄養摂取の状態に関する患者調査」の結果を発表した。
それによると、医療療養病床の入院患者のうち、胃ろうなどの経管栄養を行っている患者が全体の4割強に達することが明らかになった。
調査は昨年6月、同協会の会員約850施設を対象に行われ、312施設から回答が寄せられた。312施設の医療療養病床の総数は2万9,384床で、入院患者数は2万8,102人。
入院患者のうち、経管栄養を行っていたのは310施設の1万1,750人で、全体の約42%に達していた。このうち約70%が胃ろうや腸ろうを行っていた患者で306施設8,082人、残り約30%が経鼻胃管を行っていた患者で282施設3,668人だった。
このほか、大静脈にカテーテルを挿入する「中心静脈栄養」を行っていたのは213施設2,000人、気管切開を実施していたのは273施設3,371人となっていた。
現在、胃ろうを増設する患者が右肩上がりに増加している状況にあり、今回の調査をもとに考えると、全国の医療療養病床では10万人規模で経管栄養を行っていることが推測できるという。
患者の意思決定のあり方、食べられなくなったときの栄養管理、呼吸管理も含めた誤嚥性肺炎への対応などが、終末期医療のあり方も含めて大きな課題となっており、同委員会は、今回の調査を参考にしながら取り組みを継続していく考えを示した。
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