60歳以上の受刑者のうち、約14%の人に認知症傾向があると推計されることが、1月26日、法務省の調べにより明らかになった。
受刑者の高齢化が進むなか、認知症傾向のある受刑者は今後も増加することが見込まれ、対策が急がれる。
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同省は、60歳以上の受刑者の中から451人を無差別に選定。そのうち懲罰中の人や疾患の程度が重い人などを除いた429人を対象に、改訂長谷川式簡易知能評価スケールを実施した。その結果、13.8%である59人に認知症の傾向が認められたという。
年代別にみると、60代前半で6.5%、後半でも10.2%にとどまるが、80代以降では28.6%に達し、年代が上がるにつれて割合が高まることが示された。
60歳以上の受刑者は、2015年6月1日現在、全国に9,710人いることから、推計約1,300人が認知症傾向があるとみられる。
65歳以上の高齢者の入所受刑者人員は、この20年間、ほぼ一貫して増加しており、2014年には1995年の約4.6倍まで激増。同時に、入所受刑者総数に占める高齢者の比率も上昇し続けている。
認知症および認知症傾向のある受刑者は今後ますます増えることが見込まれ、法務省はこの調査をもとに、そのような受刑者に対する処遇方針等を検討していく考えだ。
◎法務省 プレスリリース
http://www.moj.go.jp/kyousei1/kyousei08_00062.html