歯の“もと”分割で、歯の数を増やす技術開発に成功―理研など

理化学研究所(理研)と東京医科歯科大学の共同研究グループは、昨年12月24日、マウスをモデルにした研究で、歯のもととなる原基(歯胚)の分割操作を行い、1つの歯胚から複数の歯胚を発生させる「歯胚分割技術」を開発したと発表した。
ヒトへの応用ができれば、先天的に歯が欠損している人や、虫歯や歯周疾患により歯を喪失した人が、拒絶反応を起こすことなく歯の数を増やせるようになるかもしれない。

歯の喪失に対する治療としては、現在、入れ歯やインプラントなどの人工物による代替治療が行われている。また、自身の機能していない歯を移植し、歯の生理機能を回復する自家歯牙(しが)移植といった再生治療もある。
しかし、人工物では歯の生理的機能を完全に回復することが難しく、また移植可能な歯の数には限りがあるなどの問題があった。そのため、歯胚の数を増やす技術の開発が望まれていた。


(プレスリリースより)

共同研究グループによると、開発した歯胚分割技術を使うと、複数の歯胚が正常に発生したという。また再生した歯は、矯正力(歯列矯正の際に加える力)を加えることで移動も可能で、痛みなどを感知する神経機能も備わっており、機能的にも天然歯と同等だったという。

この技術はマウスを対象に開発されたものだが、研究グループは、ヒトへの応用を通じて新たな歯科再生療法へつながるとして、期待を寄せている。

◎理化学研究所 プレスリリース
http://www.riken.jp/pr/press/2015/20151224_2/#note2

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