順天堂大学は12月2日、2型糖尿病患者の動脈硬化が、経口糖尿病治療薬で抑制されることを発見したと発表した。同大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学の三田智也准教授と綿田裕孝教授らの研究グループが、大阪大学などとの共同研究で明らかにした。
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糖尿病患者の死因は、心筋梗塞や脳梗塞が多いといわれる。そのため糖尿病の治療では、血糖値の低下だけでなく、動脈硬化の進行を抑制することも重要となる。
研究グループは、2型糖尿病患者を対象に、糖尿病治療薬のDPP-4阻害薬を2年間投与し、動脈硬化の進展を観察。その結果、DPP-4阻害薬以外で通常治療を行った群と比べ、動脈硬化が抑制されていた。
この結果が、実際に心筋梗塞や脳梗塞の発症を減らすことにつながるのかはさらなる検証が必要だ。しかし研究チームは、「将来的には、動脈硬化が進行する前の早い段階よりDPP-4阻害薬を投与することで、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管イベント発症リスクを低下させ、患者の様々な負担を軽減することが期待できる」と話している。
◎順天堂大学 プレスリリース
http://www.juntendo.ac.jp/graduate/pdf/news21.pdf