アルツハイマー病の病態に潜む悪循環メカニズムを解明―NCNP

国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は、11月12日、神経研究所疾病研究第6部の荒木亘室長ら研究グループが、アルツハイマー病の発病や病態進行プロセスの解明につながるメカニズムを発見したと発表した。

アルツハイマー病は、脳内に異常たんぱくのアミロイドベータ(Aβ)が蓄積して発病することが知られている。Aβは脳内で線維化して塊となって沈着しており、線維化の前段階ではAβがオリゴマーという集合体を形成していると考えられている。近年、このAβオリゴマーが神経細胞を障害する結果、記憶障害など認知機能の異常をもたらすことがわかり、Aβオリゴマーが発病の引き金とみなされている。
一方で、Aβの前駆物質を切断し、Aβを産生する働きを持つβセクレターゼ(BACE1)というたんぱく分解酵素がある。このBACE1の発現がアルツハイマー病の脳で上昇していることから、アルツハイマー病の病態にBACE1の異常が関与していると推察されるが、そのメカニズムはよくわかっていなかった。

研究グループは、アルツハイマー型認知症の病態をよく反映している神経細胞モデルを使い、AβとBACE1の関係について研究を行った。
その結果、Aβオリゴマーで神経細胞を刺激すると、細胞障害性の変化が起こるとともに、BACE1のレベルが増加し、その増加が神経細胞の突起部分で顕著に起こっていることを突き止めた。
このことから、アルツハイマー病では、Aβの集合体が神経細胞に作用し、神経突起部でBACE1の上昇をきたすこと、その結果、BACE1の活性が上がり、より多くのAβが産生されるようになる悪循環メカニズムが形成されていることがわかった。

今回の研究から、AβとBACE1の間の深い関連性が明らかとなり、BACE1を標的にした創薬の重要性が高まった。さらに、悪循環によりAβ産生が増幅することを考慮すると、早期の軽度認知障害の段階で治療を開始すれば、病気の進行をくい止める可能性もあるという。

◎国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センタープレスリリース
http://www.ncnp.go.jp/press/press_release151112.html

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