消費者庁は、11月18日、暖房器具を使用する時期に向け、高齢者のやけど事故について注意喚起を行った。
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同庁によると、やけどによる事故は12月から2月にかけて多く発生。65歳以上の高齢者が不注意や暖房器具などの誤使用でやけどを負った事故は、2009年9月から2015年9月までの期間に338件寄せられており、そのうち56件は入院治療を要し、死亡に至った事例は2件あった。
高齢者のやけどで多いのは、低温やけど(119件)、着衣着火(20件)、ストーブの上に置いたやかんなどの熱湯を浴びる事故(13件)、入浴に際しての事故(11件)の順。
最も多い低温やけどの原因はカイロや湯たんぽなどで、暖かく感じる程度の温度でも長時間皮膚に接することで発生する。低温やけどは普通のやけどに比べて痛みが少ないため、一見軽そうに見えるが、深いやけどになっていることも珍しくなく、とりわけ高齢者は皮膚の感覚が鈍いことなどで、重症化しやすい傾向にあるという。カイロなどは皮膚に直接触れさせない、就寝時に使用しないことを守ることが大切だ。
着衣着火は、仏壇のろうそくの火やガスコンロなどが原因で起こり、20件中15件が入院治療を必要とし、2件は死亡事例と重篤化しやすいのが特徴。コンロを使う時は、毛足の長い生地や、袖が垂れ下がるものなど火の付きやすい衣類は身に着けないようにするほか、仏壇用ろうそくはLEDを使ったものの使用を奨めている。また、入浴中のやけどは追い炊きが原因になることがあるので、十分に注意することが必要としている。
◎消費者庁ニュースリリース
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/151118kouhyou_1.pdf