日本老年医学会は11月4日、「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」の完成を発表した。
ガイドラインは、高齢者への薬物療法の安全性を高めることを目的に2005年に初めて作成され、今回10年ぶりの全面改訂となった。総論部分はホームページでも公開しており、全体版は12月に発行される予定だ。
2015年度版の特徴は、主要な薬物について「特に慎重な投与を要する薬物」と「開始を考慮するべき薬物」の2つのリストがつくられたことだ。
「特に慎重な投与を要する薬物」のリストは、75歳以上の高齢者、75歳未満でフレイルまたは要介護状態の高齢者が主な対象となっている。一方「開始を考慮するべき薬物」のリストは、高齢者一般が対象となっている。それぞれ、薬物名や対象となる患者、主な副作用とその理由、推奨される使い方などが一覧になっている。
作成にあたり、4月にガイドライン案のパブリックコメントを募集したところ、185件中、介護職から8件、一般37件から意見が寄せられ、医療職以外でも関心が高いことが伺える。
なお同学会では、医療職以外に、患者や家族、ケアマネジャーなども服薬内容とリストを照合することが可能だであるとしつつ、自己判断で服薬を中断などすることがないよう、必ず医師や薬剤師に相談することを呼びかけている。
◎日本老年医学会「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」完成の報告およびパブリックコメントへの回答
http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/20150427_01.html