便秘薬として使用されることの多い「酸化マグネシウム」について、厚生労働省は10月20日、使用上の注意を改訂するよう指示を行った。本製剤の投与により、血中のマグネシウム濃度が上昇する「高マグネシウム血症」をきたすことがあり、特に高齢者や腎臓の病気がある人は注意が必要だという。
国内での副作用の報告が集積したことから、改訂の指示が行われた。直近3年度に報告された高マグネシウム血症の副作用症例29例のうち、19例は因果関係が否定できないという。死亡した4例のうち1例についても同様だ。
特に高齢者は「高マグネシウム血症を起こし、重篤な転帰をたどる例が報告されている」として、慎重投与の項に「高齢者」を追記し、投与量を減らすことなどが明記された。
酸化マグネシウム製剤は、製薬メーカー17社が製造販売を行っており、市販の便秘薬としても流通している。今回の改訂をふまえ、17社は共同でリーフレットを作成し、注意を呼びかけている。
リーフレットによると、高マグネシウム血症の初期症状では、「吐き気、嘔吐、立ちくらみ、めまい、脈が遅くなる、皮膚が赤くなる、力が入りにくくなる、体がだるい、傾眠(眠気でぼんやりする、うとうとする) 」が見られるという。
◎医薬品医療機器総合機構(PMDA)
http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/calling-attention/revision-of-precautions/0299.html#2